【潔癖症】米谷奈々未「人間に触れるのが嫌い」【欅坂46】

     

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「人間に触れるんが嫌いなんよ」 

米さんに見つめられると被験者になった気分だ。
顕微鏡をのぞくように少しだけ目を細め、一直線に対象を捉える。その目は純真で、しばらくの間動かない。
米さんは一週間に一回ほどのペースで人間嫌いを勝手に独白していた。そんな時どうすればいいかわからない。
妙に気持ち悪い心地にさせられて、僕が口を開こうとする時に、米さんは笑う。その笑顔も少し不気味だ。

米さんは顕微鏡が好きだった。僕も好きだった。
たまねぎの表皮細胞を酢酸オルセインで染色すると、核が赤く染まる。初めはそれが信じられなかった。
肉眼では確認できないものを、レンズで拡大してみると、そこには壮大な世界がある。
米さんはそのことを理解してくれるほとんど唯一の知り合いだった。
顕微鏡を橋渡しにすると、いくらでも会話が広がった。

「せやったら生物部作らへん?」
「何をする部活なの?」
「別に今までと変わらへんよ。でも、ほら、ウチら以外の子にも興味持って欲しいから」
そんな経緯で生物部は発足されたのだが、部員は一人も集まらなかった。
教師に新設部届けを出した時も、結局は認められたのだが相当に怪訝な顔をされた。

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